先日就任のご紹介をしたばかりのTrail Butter アンバサダー 柳下 大さんより、早速ご自身が参加されたオリエンテーリングの大会レポートをいただきました。
舞台は静岡県伊豆市。
かねてより興味を持っていたという場所で行われた大会は、帝王にして「手強い」と言わせる難解な地形でした。
photo_「KOLC大会」公式サイトより
「第7回 KOLC大会」by 柳下 大
2014年の伊豆でのOMM Japanの際にルートの考察で国土地理院の陰影起伏図を見ていて、稜線の北側にある異様な凹凸に目が止まりました。
調べてみると、皮子平という場所に火口があり、そこから流れた溶岩で出来た地形でした。
地形図ではわかりにくいですが、陰影起伏図でみると凸凹していたり波を打っていたり、とにかく普通ではない地形です。
詳細な地図で表現したら一体どうなるのか?
ナビゲーションしたらとても難解かつ面白いのではないかと想像をしていたところ、学生クラブであるKOLC(※)がこのエリアで大会を開催するというニュースが入ってきました。
これは出るしかないということで早速エントリーをしました。
もともとは2月開催予定だったのが雪の影響で5月開催となり、待ちにまった大会でした。
—
大会プログラムで地図のサンプルが公開され、
同じく溶岩流の地形である富士山麓の一番難解なエリアに似ているという印象を受けました。
さらに似ているのは海外の地形で、私の経験ではフランスでの世界選手権の地図かなり似ていると感じ、
昔の地図ファイルを引っ張りだして、イメージトレーニングをして臨みました。
(下記参照)
そして、実際に走ってみると地図、コースは想像以上期待以上に凄く、とても手強かったです。
コース序盤のCP4までは溶岩地帯でない穏やかな森エリアで、コース設定者の温情を感じますが、CP6-7は正に鬼のような難易度でした。
私はスピードを落とし、じっくりとこなしましたが、序盤のスピードのまま突っ込んだ選手はここで大きくロスをしたようでした。
トップレベルのオリエンテーリング選手でも一度現在地がわからなくなったら復帰は困難です。
私はCP13-14で2分半ほどロスしたのが最大のミスでしたが、プレ日本選手権といえるメンバーの中なんとか8位に踏みとどまり、ベテランらしいレースは出来たかと思います。
私たちは自然の中で様々なアクティビティを楽しんでおりますが、
これは自然の造形を生かした「究極のナビゲーション」ではないかと感じました。
地図をつくることもそうですし、地図を読み解くこともそうでしょう。
こんな面白い場所を発掘してくれたKOLCの皆さんには拍手です。
そして、これからもこの場所は私たちの挑戦意欲をかき立ててくれるでしょう。
(※)慶應義塾大・相模女子大・横浜国立大・横浜市立大・北里大・関東学院大・フェリス女学院大からなるオリエンテーリングクラブ