Trail Butter アンバサダー 礒村 真介さんよりレースレポートが届きました。
先日NEWSにてご紹介した『The Beast Trail』よりわずか1週間後に参戦した『ULTRA TRAIL NEW CALEDONIA 2018』の模様です。
『The Beast Trail』での疲労が残る状態でのレース運びは困難を極める中、ベストを尽くした先に味わえる感情とは。
photo_Shinichiro Fujita
「ULTRA TRAIL NEW CALEDONIA」by 礒村 真介
もうすぐレース中間地点。手元のスントは深夜3時を告げている。からだにブレーキがかかってきた。元気なランナーにパスされ、ヘッドランプの光量は心もとなくなり、心は一点の曇りもなく辞めたいモードになっている。
「順調に順位上げてたのに、ドロップバッグが届いてなくってさ」。うん、我ながらいい言い訳だ。この先の大エイドより先まで進んでしまったら車でアクセスできない。リタイアするならここだ。
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取材で参加した<ウルトラトレイル ニューカレドニア110km>。
記事を作るだけならレースを走る必要はなかったのかも。疲労が残ったら翌日以降の取材にも影響するし。そもそも数日前に別の本命レースを走っている。そのダメージがごまかしきれない。
もう順位はどうでもいい。何度コケたかわからない。スントのバッテリーが切れた。ペースも高度もわからない。ただただゴールしたい。完走できたら嬉しくて泣いちゃうだろう。
じゃあGO SLOWゆっくりと進めばいいんじゃないの? ファンランで。
でも、それじゃきっとダメで、走り終えたときに心からの笑顔にはなれない。そのときの状態なりに、悪いなりに、少しでも速くのベストを尽くすこと。楽(ラク)と楽しいはちょっとだけ違う。うまくいくかどうかの保証がないことに、力いっぱい、心いっぱい向き合えたかどうか。いい歳こいた大人が感じる「楽しい」の総量はそれで決まるのだと思う。少なくとも自分の場合はそうかな。そんな感動を残りの人生であとどれだけ味わえるんだろう。
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タイムは15時間58分ほど。出し切って、すっからかんでゴールしました。今回も途中で多くの出会いがありました。客観的な評価は数日前に参加した<台湾ザ・ビースト・トレイル>のコースレコードだと思いますが、このレースで泥臭く進みきったことは、自分のなかでは負けず劣らずピカピカに光ってます。男子6位。ウルトラトレイルのタフさと魅力は、他とはやっぱりちょっとだけ違うなあ。
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ちなみにTrail Butterはminiを、
・スタート1時間半前に1個
・各エイドで1個づつ
メインはジェルで、補助的に。
優しい味で胃が助かります!