青木真也

MMA(注1)ファイター、プロレスラー、文筆家コラムニスト、他にも様々な顔を持ち多方面で活躍する。彼の日常や想い、生き方に迫るインタビュー。自身の紹介も省き、早速トレイルバターに興味を持った理由を語ってくれた。

注1 MMA=Mixed Martial Arts。総合格闘技のこと。

「MMA、プロレスとトレイルバター」

Trail Butter (以下「TB」):青木さん、今日はよろしくお願いします。

青木真也 (以下「青木」):お願いします。早速ですが、僕の方からいいですか?トレイルバター。これはいいですよ、本当に。

TB:あ、ありがとうございます!

青木:僕の場合で言うと、歳を取ってきて、日々練習や有酸素運動をしている中で、体が削れていく、痩せていくという問題があって。例えばONE(注2)の試合だとライト級で水抜きなしでリミット77kgなんですけど、僕は練習していると75kg以下になってしまう。これを防ぎたい。カロリーを稼ぎたいわけです。

TB:普通歳をとると逆に太るものだと思いますが、青木さんのMMA練習中心の生活だと逆に痩せる、と。

青木:あぁ、一般的には歳を取ると太るのか。僕の場合は体に害のないものを摂ってしっかり運動するので痩せちゃうんです。

TB:普段の生活自体がシンプルで、ジャンキーではないんですね。

青木:はい。で、痩せるのを防ぐためにカロリーを摂りたいのだけど、練習前に炭水化物は入れたくないんですよ。なぜかわかります?

TB:お腹に溜まってしまって動きにくいということですか?

青木:その通り。お腹が張ってしまうわけです。これだと動けない。で、その代わりに、いわゆるジェル的なものを摂る人が周りにも多いわけです。

TB:それはトレイルランニングと同じですね。糖質で血糖値を上げて一気にエネルギー化する。

青木:そうです。でもそれって、急激に上がって、あるとき急速に下がっていくんですよね。結局エネルギーが短時間で切れてお腹も空いてしまう。で、突然パフォーマンスが落ちる。

TB:トレイルランニングでもあります。いわゆる「ハンガーノック」。

青木:僕はプロレスもやっているんですが、プロレスってミドルレンジの活動なんですよ。なのでジェルだとどうしても後半が辛い。あと、ジェルと飲み物で補給をすると、やはりお腹も多少張ってしまうんです。そこでトレイルバターの出番なわけです。

TB:青木さんは格闘技の解説ももの凄く上手いですけど、トレイルバターについてもここまで完璧な流れで説明されています(笑)。完璧すぎてステマと思われそうで心配になってきました(笑)。

青木:よさをわかって使ってますからね。で、プロレス巡業の時、バスの中でトレイルバターで補給をしていたんですよ。そうしたら、竹下幸之助(注3)が「それ何?」と。それで脂質補給の話をしたら、1個くださいと言われて。竹下も使ってみたら「これはすごくいいです」と。

TB:プロレスの新旗手・竹下選手も!ありがたいです。

青木:竹下は栄養補給や食事に関してすごく造詣が深くて、その面では僕の師匠でもあるんですけど、彼もいいというなら余計に信用できるわけです。それから竹下にもアドバイスをもらって、練習前や試合前にトレイルバターを摂るようにしています。

TB:練習や試合直前ではなく少し前から摂る形が良いですよね。脂質なので緩やかにエネルギー化されていくので。

青木:そう。まさにその摂り方をしています。

TB:完璧です。

青木:あとは、プロレスラーってエナジードリンクジャンキーが多いんですよ。あれってスイッチが入るじゃないですか?覚醒が強い。でもトレイルバターがあればミドル、ロングレンジでエネルギーが持続するので、エナジードリンクを摂るのも避けられるようになりますね。

TB:なるほど。

青木:格闘技選手にも向いてますけど、プロレスラーにはトレイルバターはほんと勧めたい。トレイルバターとプロレスの相性の良さは異常にいいですよ。プロレスは巡業があるから移動のスポーツなんだけど、移動の最中も摂りやすい。あと、この前マッスル(注4)で大阪2公演一気にやったんですが、ミュージカル2本みたいなもんなんで、めちゃくちゃ長いわけです。でも竹下と僕は終わった後「飯どうする?…あれ?腹減ってない」ってなって。それくらい腹持ちが良い。良すぎるから、逆にどのタイミングで飯を食べたらいいか分からなくなる時ありますよね。ここは少し気をつけたいな、と。

TB:腹待ちが良すぎて次の補給タイミングが分かりにくい、と。なるほど。そこはエネルギー摂取量と消費量の関係ですけど、瞬時に計算なんてできませんものね。

青木:なので、練習や試合後は、そろそろ食事をした方がいいな、と思うタイミングで意識しておくのも大切ですね。

TB:ほんとによく考えていらっしゃいます。僕らの方が勉強になります。

注2 ONE CHAMPIONSHP。青木選手が主戦場とするアジア発世界の総合格闘技団体。キックやムエタイも行われている。
注3 竹下幸之助は日本のプロレスの将来を背負うと言われるプロレスラー。青木選手の紹介でトレイルバターを摂り入れ近頃トレイルバターのアンバサダーにも就任。
注4 マッスルはDDTプロレスのビッグイベント。

「知らない人へ。青木真也とは?」

TB:さて青木さん、トレイルバターの早速深い話から入っていただいたんですが、今回のインタビュー、主な対象が普段格闘技を観ている人たちではないので、ここで青木真也とは?という話をしたいと思います。本当はこの話からスタートしようと思ったんですが(笑)。

青木:了解。そうですよね。

TB:まずこちらから格闘技ファン以外の方向けに簡単に青木真也を説明すると、MMAファイター、プロレスラー、文筆家、コラムニスト。あとは表現の仕方がわからないのですが、インフルエンサー?よいインフルエンスか悪いインフルエンスかわかりませんが(笑)、でも、影響力がすごいですよね。格闘技の内にも外にも。青木さん自身は自分の肩書きってなんだと思います?

青木:ライフスタイルを提案する人。自分らしさを持ってる人。流されない人。僕は自分のことをそう思ってるんです。

TB:確かにどの場面でもそこが軸になっていますよね。MMAファイターとしても、SNSでも。色々な顔がありますが、主軸はどこにあるんでしょうか?

青木:主軸はない。全くないです。実は仕事の割合も良い具合にバラけていて。面白そうと思ったら地方にもプロレスに行くし。楽しければやるスタンスなので。

TB:青木真也を一言で肩書きみたいなもので説明するのは難しいと言うことですね。それでも敢えて一言で言うと、青木真也って何でしょうかね?

青木:自由に生きてる人、だなぁ。多くの人が憧れる生き方(笑顔)。

TB:納得です。多くの人がやろうと思って、いろんなしがらみやハードルを超えられずにできない生き方。それをやっている人ですね。あとは、特にここ数年ですけど、青木選手は色々な場面ですごく活躍されています。その理由はどこになるのかな、と。表現する場所とかシチュエーション、それこそ肩書みたいなものもどんどん増えていますよね。客観的にみると、ABEMA(注5)がはじまって地上波じゃないコンテンツと相性の良さも際立ってますし、本も書き、SNSでも発信し続けています。

青木:それはすごく簡単な話で。格闘技を他のことに応用していくことが得意なんです。僕は横移動って呼んでるんですけど。格闘技で起こってることを他のことで説明するのが得意。試合の解説席に座った時には、これは「世の中で例えるとこういう状況」って説明したり。逆もあるから面白くて。他で学んだことが、格闘技的にはこういうことだ、とか。横で繋がってますね。連動してる。

TB:若い頃も独自性があって自由な感じがしましたが、空回りもありましたよね。

青木:年を重ねて、横の連動に気づいた、連動し出したというのは大きいですね。格闘技でやってきたことは、他のことにも応用可能じゃん、て。2013〜15くらいからわかってきました。横移動の思想が出るまでにデビューから10年くらいかかりましたね。2015の年末に桜庭VS青木があって、その時初めて、メインイベントで自分で思ったような結末で終われるな、その力がついてきたな、と感じたんです。それまでは必死に試合してとりあえず出力して、それが周りからどう評価をもらえるかはわからなかった。この桜庭戦くらいから、自分がどういうものを出せばどう評価されるか、わかりはじめてきました。そこから、格闘技以外にもどんどん横移動させられるようになって。

TB:青木選手はどこかのタイミングで、人に理解されるようにもなりましたよね。支持というか。

青木:素の部分、本質的に真面目に生きてて、格闘技がすごく好きな人なんじゃん、っていうのが結果的に伝わったかと思います。他の格闘技選手との比較の部分においてもそれが顕著に見えるようになったというか。僕はよく言うんですが、高さのない広さは迷惑なだけ。一つこれといったものがないのに幅ばかりあってもダメなんだっていう。一つ何かドンとあって、高いものに付随して広さがあるから有益だと思うんです。その一つドンというのをやれてきてるなということと、そこから広げられているかな、というのはあります。

注5 ABEMA格闘技チャンネル。ONE中継をはじめ、青木真也が頻繁に登場する。

「食の遍歴」

TB:では話題を食の方に戻します。今度はトレイルバターから少し離れて、食全体の話というか。特に、青木選手の食の遍歴に興味があります。色々試してきたのか、そうでもないのか。

青木:そこは結構面白くて、実は一通り結構やりました。

TB:そうなんですね!シンプルな生き方のイメージがあるから、あまり色々手を出していないように感じていました。

青木:やってるんですよ、それが。ローフードもやったし、もう左翼も右翼も全部やりました。ヴィーガンも。ローフードやってデーツとか食べて。僕はコンディション落ちました(笑)。で、わかったのは、こういうのは「思想」だな、と。サプリメントも色々試しましたよ。練習終わって色んなサプリ摂って、みたいな感じで。特定の食という話ではないけど、一応減量でギュッと落とすというのも試しました。やってないのはグルテンフリーくらいですかね。

TB:色々と試して体感したんですね。

青木:はい。それで、一周して、どれもそんなに意味はないと感じました。結局は、無理なく、悪いものは摂らずに、ちゃんとご飯を食べているのが一番コンディションいいんだな、って気付きましたね。その点、トレイルバターはサプリメントじゃないし思想っぽくなくて、食事寄りなわけで、そこに惹かれるっていう点は僕っぽいですよね。

TB:普段の食べ物の嗜好という点では、青木さんがカレー好きというのは知っていますが、他は何か好きなものというか、傾向みたいなものはありますか?

青木:シンプルに、身体に無理がなくて悪くないもの。わかりやすくいうと、アメリカのホールフーズですよ。ああいうのが好きです。

「脂肪は悪?中鎖脂肪酸?」

TB:次は少し専門的な話ですが、トレイルバターに含まれる「中鎖脂肪酸」については何かお考えなどありますか?

青木:正直そこまで詳細に拘っていません。難しく考えていない。竹下なんかはコンディションの維持とか細かい部分まで考えていて、彼に使い方のアドバイスなどはもらいますが。僕は総論として良さそう、あとは実際に使って、体感として良い。こっちの方が大事な部分です。

TB:正直にありがとうございます。一応簡単に説明すると、中鎖脂肪酸は「良質な脂肪で、脂肪になりにくい、エネルギーになりやすい」ってことです。

青木:なるほど。さっきのマッスル公演の話が良い例ですが、それは体感でわかりますね。あと、僕からも脂肪の話をしたいんですが。

TB;お願いします。

青木:みんな、脂肪を嫌いますよね?脂肪を嫌う問題。脂肪はダメなんだという頭の壁、心の壁をクリアするっていうハードル。ここがトレイルバターが売れるか売れないかの壁じゃありません?

TB:その通りです(笑)。なので、脂質はいいものですよっていうのを売りにしていく必要があるし、実際にそれが売りですからね。

青木:糖質・脂質は悪、タンパク質は正義みたいな世界で戦っていく必要があるわけですよね。ブラックサンダーなんか「タンパク質○g入り」って書いてますからね。世の中の正義を取り込んでおこう的な。でもトレイルバターは「タンパク質だけが正義じゃない」「脂質も正義」っていうことを標榜して売っていかないといけない。難しいけど。そこはやり方とか、センスが問われますよね。

TB:ちなみに、どう脂肪をどう売りにしていくべきか、アドバイスがあればお願いします!

青木:これはもう、啓蒙しかないですよ。脂質を啓蒙していくしかない。深く刺して、引っ掛かりをよくするしかないです。わかりやすくいうと、失うものが多い減量とかダイエットをしないで、と。高タンパク低脂肪、糖質カットとか、痩せることはできるけど、失うものも多いじゃないですか。まず体調、コンディション自体が悪くなることがあるし、女性なら肌荒れとか。脂質もちゃんと摂ることは大切ですよ、というのをアピールしていく。

TB:確かにそうですね。不健康に痩せるべきではないですよ、という部分で脂質をアピールしていく必要があるのかもしれません。

「青木流の健康とは」

TB:そう言われてみると、青木選手はここ20年くらいいつの写真や映像を見ても常にグッドシェイプ、そして肌艶がめちゃくちゃいいですよね。太ってる姿、むくんでる姿を見たことがないです。

青木:格闘技の選手は普通、体重の増減がすごいですからね。試合の時と普段で見た目も全然違う。でも僕はいつもほとんど同じです。試合があろうとなかろうと。一定。長いスパンでの健康、コンディション維持を考えたら、これは本当に大切なことで。これだけの練習を毎日しているので、とにかくいつでも、グッドコンディションであることが大事なんです。

TB:どうやって維持しているんですか?

青木:大事なことをいいますよ。シンプルに。身体に悪いものを取らない、身体に悪いことをしない、そして特別なことをしない。淡々と真面目に生きる。よく寝る。それだけ。

TB:深いです。結局そういうことですよね。

青木:だから、糖質でギュンと上げてギュンと下がったりも自分の中では非効率だし、そういう点でも脂質は自分に合っているな、と。

TB:やはり青木選手はトレイルバターと相性がいいです。青木選手の通常体重だと、他の選手なら試合時に1階級は下げられるはず。それもしないですよね。ナチュラルなライト級。非常に珍しいです。

青木:はい。なぜなら、一番大切なのは「健康」だから。「身体を仕上げる」のと「健康」、これは同じようで、実は相反する部分もある。健康をトレードしてまで身体を仕上げる人が多い。MMAなら、減量して試合用の身体に仕上げる。しかし健康には悪い。ボディビルも極論そうですよね。健康を削ってまであの身体に仕上げるわけで。でも僕の考えでは、長い目で見て身体にガタがくることはしたくない。健康を捨ててまで仕上げないということです。結果、2003年から選手をやっているからもう18年。MMAの一線級でももう15年以上やってると思います。今もなぜできるかというと、「一度も健康をトレードしたことがない」からです。これに尽きます。

TB:これも深いというか本質的な話ですね。ずっとグッドコンディションでいる秘訣がわかりました。仕上げの弊害が蓄積されていない分、今も健康体なんですね。ちょっとトレイルバターとか脂質の枠で収めるにはもったいないようないい話です。これはアスリートや日常で運動をする人、ダイエットや減量をする女性にもぜひ届けたい内容です。

青木:あとは、最近わかってきたんだけど、これは脂質とは直接関係ないけど、長く続けられている選手に共通するのは、みんな有酸素運動をしてますね。プロレスも格闘技も。走ったり、僕の場合は自転車。宇野(注7)さんも良く走ってますよね。田中将斗さん(注8)も走ってる。なので、あの年齢でグッドシェイプでよく動ける。

TB:確かに。青木選手もほとんど都内は自転車移動ですよね。

青木:はい。こんな感じで、コンディションに関しては色々な人と話して、色々と聞いて、体感していく中で色々発見がありますね。

注7 MMAレジェンドである宇野薫選手。青木選手とは練習パートナーでもあり、お互いにセコンドに着く間柄。
注8 田中将斗。48歳で一線で活躍する現役プロレスラー。

「トレイルバターの使い方」

TB:だいぶ深い話を伺えていますが、少し話題を変えて、青木さんは普段トレイルバターをどんな食べ方、摂り方をしていますか?あと、好きなフレーバーとか。

青木:摂り方は、基本は移動の時の補給、あとは練習の少し前ですよね。最近、パンに塗るのはちょっと違うかなと思っていて。そのままいく(食べる)ことが多い。これは好き嫌いレベルの話。味は、すごく美味いですよね。特にオリジナルトレイルミックス(以下「OTM」)。スパイスドチャイは美味しいけど、味に特徴あるから毎日毎回という感じではない。OTMは味がシンプルなので、結局これに行き着く。あと、ちょっとレベル高い話で言うと、トレイルバターは食塩相当量が少ないところも気に入ってます。

TB:さすが、細かいところまで見ていますね。

青木:塩分の話で言うと、僕は減量しないからやってないですけど、試合減量の最後にトレイルバター摂るのはいいと思う。塩分が少ないので、水抜き(注9)がしやすい。

TB:なるほど。逆に減量後のリカバリー(注10)にトレイルバターはどうなんでしょうか?

青木:それはどうなんでしょうね?わからない。

TB:例えば長距離トレランのレースだと、糖質系のジェルを摂り続けると胃がやられて気持ち悪くなって吐いてしまう人が多いんですが、トレイルバターだとそれが少ないという選手の声が多いです。エビデンスを集めるのがなかなか難しく正解はまだわかっていないのですが、お腹に優しい部分もあるのかな、と。

青木:そんなんですね。よいのかもしれない。まぁ、僕は減量しないから、リカバリーもあまりいらないですけどね(笑)。以前フェザー級の試合が組まれて、これは僕の階級の一つ下の階級なんですけど、前日計量後当日の試合までに6kgリカバリーしたことがあります。入場の花道歩いてたら身体は攣りそうになるし、これは1Rで終わらせないとヤバイなと思って。まぁ1Rで終わらせました。

TB:さすがです(笑)

青木:NO(一酸化窒素)がいいと聞いてそれを摂って試合に臨んだけど、厳しかったですね。そういう試行錯誤というか、色々体感はしてきていますよ。だからさっきのトレランの話は正解は出ていないのだろうけど、体感でいいというのは、面白いですよね。

注9&10 計量前に減量の最後の仕上げとして風呂、サウナ、エクササイズなどで水分を抜いて一時的に体重を減らす。計量後、補給をしリカバリーをする。健康には良くない。

「SNS」

青木:次、僕から話してもいいですか?一つ話しておきたいことがあって。

TB:ぜひお願いします。

青木:最近すごく問題だなと思ってるんですが、みんな、よくないものを勧めたり、自分が納得してないものを勧めるじゃないですか。SNSとかで。あれは良くないな、と。インスタとか。

TB:確かに多いですね。

青木:あとは、マッチョとインスタ。これはすごく相性が良くて。自己顕示欲を出せるから。みんなポーズを決めて、明らかに健康的なナチュラルさではない人が多い。それってどうなのかなと。健康じゃないと美しくないし、そういう人たちが勧めるものを自分がほしいかと言ったら、正直ほしくない。

TB:無理があるから信頼できないわけですね。

青木:まさに信頼がなくなるじゃないですか、その人の。で、そういうのって見る側がわかるじゃないですか。そのSNSがほんとかウソか。僕は自分のポリシーとして、自分が本当に好きなもの以外は勧められない。そうじゃないものを勧めるのは裏切りですから。

TB:その話の流れだと、トレイルバターは青木さんに本当に気に入ってもらえてるってことのようで、僕らもすごく嬉しいです。実際、青木さんが本当に良いと思って勧めてくれているのも、見る側に伝わっていると思います。ありがたいです。

青木:はい。単純に、トレイルバターを日々摂りながら、コンディションがいいですよ。本当に嘘偽りなく、シンプルな話。

「今後の青木真也」

TB:では最後に、青木さんの今後の展望をお聞きして、インタビューを締めたいと思います。トレイルバター関係なく、で結構です。MMAファイターとしてトップクラスとして続けていくには、近い将来、年齢の壁が出てくるのが現実かと思います。

青木:はい、もう出てますよ。

TB:そんな中で、まずMMAファイターとして、今後はどんな絵が描けるでしょうか?

青木:それは現時点で明確に見えてて、今世界一になりたいとか、格闘技で世の中を変えたいとかはないです。ONEのタイトルマッチにも正直興味がないし。

TB:立ち位置的にはタイトル再奪取が狙えるけど、興味はない、と。

青木:ないです。ただ、試合やって、勝っても負けても快楽がすごい。あの気持ちよさ。開放感。あれを求めてます。トレランでもきっとそうですよね。長い時間山越え谷越えてゴールしたら気持ちいいに決まってる。俺も、気持ちいいからやってますし、それを求めて続けます。

TB:理解できます。反面、加齢によって、試合の準備がしんどい、キツいという部分も、通常多くの人は感じるのかな、と。青木選手的にはそこと快楽の天秤のかけ具合はどうなんでしょうか?

青木:あ〜!それは、我慢すれば我慢するほど気持ちいいじゃないですか!サウナと同じで(笑)。あとは、僕は解放される体験が忘れられないですね。それが勝ってしまいます。それに勝るものは人生で他にない、と現時点では言ってしまえる。でも、今後長い目では、それに勝るものを見つけていかなければ、とは徐々に思いはじめてます。でも、格闘技に限らず、スポーツの一線で活躍した人たちが引退後に求めるものって、薬、政治、ビジネスとか…結局快楽を求めているように感じます。僕はそうじゃないものを見つけられるだろうか。

TB:またまた深いです。では最後に、MMAファイターとしても、そしてそれ以外にも色々な顔を持つ青木さん。青木真也そのものは、今後どうなっていきますか?

青木:青木真也は、のうのうと生きていきますよ(笑)。自分の好きなことをやって、好きなものを創って生きていきます。そういう意味では、将来の心配はないです。

インタビュー後記

非常に中身の濃いインタビューとなりました。トレイルバターという部分を抜きにしてくれてよいので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。青木選手の長年にわたるグッドシェイプ、グッドコンディションの秘訣の解は、非常にシンプルでした。また、生き方もシンプルで真っ直ぐ。ここにも、おそらく多くの人にとってヒントや気づきとなる部分があるはずです。

前回の試合(ONE4/28エドゥアルド・フォラヤン戦)では、アジア開催、全米生中継という環境のため、朝に試合が組まれた青木選手。朝の試合は食事の摂り方が難しく、トレイルバターの4.5ozを2本食べて試合に挑み、よい体調で挑めたと、試合後わざわざ現地から連絡をくれました。その後も、「一気に取らないで少しずつ食べるのが調子がいい」など、色々試しながら、トレイルバターを使っていただけているようです。

本当に良いものを求め、それ以外のものには一切興味を示さない青木選手。その彼の姿勢は試合や試合に挑む姿勢、SNSの言動からも日々伝わってきます。そんな彼の生き方の片隅にトレイルバターも存在していることを、私たちは誇らしく感じています。

(撮影協力 Igloo BJJ)