本ブログでは、Trail Butter アンバサダー 皆さんの活動報告やレースレポート、それぞれのTrail Butterの使い方、どのようにして取り入れているかなど、不定期に「Ambassador BLOG」としてアスリート本人の言葉でお伝えしていきます。
今回は第一弾として、クライマーの倉上 慶大さんより届いたレビューをご紹介します。
「Ledge Life」 倉上 慶大
クライミングには様々なスタイルがあるが、マルチピッチクライミングと呼ばれるスタイルは私のお気入りの1つだ。
マルチピッチとは、ロープ1本の長さ(50mほど)では登りきれない高い壁を複数(複ピッチ)に区切って登っていくクライミングスタイルのことを指す。
岩壁の長さは、200~300m程度のものが日本では一般的だが、海外の岩壁となると1000m以上に及ぶこともある。
私はここ数年、アメリカ・カリフォルニア州のヨセミテにあるエルキャピタンと呼ばれる1000mの大岩壁でのクライミングに夢中だ。
こういった長大な壁でのクライミングはビッグウォールクライミングとも呼ばれ、その壁を地上から頂上まで登りきるには通常3~5日、時には10日間以上もの期間を要する。
もちろん、ひとたび地上を離れると壁の中で生活することになる。
同じマルチピッチでも、岩壁の長さによってそのクライミング自体の困難度や戦術は大きく変化するが、中でも厄介なのがビッグウォール特有の「荷揚げ」と呼ばれるものだ。
これは単純に食料や衣類など必要な生活物資を引き上げる作業のことなのだが、「荷揚げで疲れ果ててクライミングどころではなくなって敗退」なんてこともしばしば耳にするほどキツイ作業で、その重量は時には50キロ以上にも及ぶ。
そこで、この荷揚げ作業の負担を軽減するために荷物を削ぎ落としていくのだが、切り詰められるものとして最後にその矛先が向かうのはほぼ確実に食料となる。
私は実際にこの削ぎ落とし作業で失敗し、一昨年のヨセミテでは大敗退を喫したのだが、その苦い経験を機にクライミング中の食料に関して真剣に考えるようになった。エナジーバーやドリンクなど様々なものを試したが、結局行き着いた結論は「軽量でハイカロリー、毎日食べても飽きのこない美味しさ。そして、日保ちも良い行動食」というものであった。
そうして、そんな都合の良いものを探していた時に出会ったのがトレイルバター(以下、TB)だった。
TBの中身の特徴はここ(https://trailbutter.jp/features/)にお任せするとして、TBの選択はその使いやすさにおいても大正解であったということだ。
例えば、エナジーバーのように炎天下に晒された時や衝撃を受けたときに変形すること(溶けてしまったり、型崩れすること)もないし、キャップ式という容器のスタイルもクライミング中の補給食にはとても使い勝手が良い。食べきった後に水でシャカシャカして豆乳風味の特製ドリンクとして最後まで使いきれるのもいい。
しかし、その美味しさゆえにレスト日にもつい手を伸ばしそうになる衝動を抑えなければならないのは困ったところなのだが、TBはヨセミテのビッグウォールだけでなく日本での日々のトレーニングでも欠かせない強力なパートナーとなっている。